歯周病菌とむし歯菌
むし歯菌の作るバイオフィルム(歯垢)が
成熟すると、酸が生じてむし歯を起こし
ます。一方、歯周病菌のつくるバイオフィ
ルムが成熟すると、まわりにある歯ぐきに
炎症を起こして歯周病を起こします。
2つの菌とも、バイオフィルムをつくり、
それが放置されると病気になろというのは
同じです。
・酸素が好き:嫌い
むし歯菌は酸素を好み、歯周病菌は酸素を嫌
います。歯ぐきで覆われた深い歯周ポケット
の中には酸素が入り込まないため、歯周病菌
には快適な環境です。
・酸性:アルカリ性の環境が好き
むし歯菌は酸性の環境を好み、歯周病菌は
アルカリ性の環境を好みます。むし歯菌は
酸をつくって歯を溶かす力があり、当然酸に
強いです。
対して、歯周病菌は酸性の環境では生きられ
ません。歯周ポケットの中は、歯ぐきから
しみ出る体液(歯肉溝滲出液)や歯周病菌に
よる炎症の影響で、アルカリ性になっていま
す。
・糖質:タンパク質が好き
むし歯菌の主食は飲食物に含まれる糖質
(砂糖や炭水化物)ですが、歯周病菌の主食
は血液に含まれるたんぱく質(アミノ酸)や
鉄です。
このように、むし歯菌と歯周病菌の生活環境
は交わることがありません。むし歯になり
やすい人が、歯周病になりやすいということ
はありません。しかし、お口の中が汚れて
いると両者とも増えるので、その結果むし歯
にも歯周病にもなりやすくなります。
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