歯の数が減ると閉じこもりがちに?
歯を失うと、噛みにくい、食べにくいだけで
なく、様々な影響が出てくることがわかって
います。食べられるものが限られ栄養の偏り
が起こったり、認知症のリスクや死亡率が高
まるという研究もあります。
いま高齢のかたに増えている「閉じこもり」
も例外ではありません。歯がないお口を見せ
るのが嫌で、人と会うのを避けがちになる。
歯がない状態で苦労して食事をする姿を見ら
れたくなくて、友人からの誘いがあっても
お断りする。
65歳以上では10~15%、75歳以上ではおよ
そ20%が閉じこもり状態にあると推定され
ています。
グラフは日本人の高齢者4390人を4年間、
追跡した研究です。65~74歳のかたは、統
計学的な解析の結果、歯が20本以上残ってい
る人に比べて、19本以下の人は閉じこもりに
なるリスクが有意に高くなっています。
ただ、19本以下の人でも入れ歯を使っている
と、リスクは低くなっています。入れ歯によ
り、人と会ったり食事をするのが億劫になら
なくなったせいだと思われます。
75歳以上のかたの場合も、歯が19本以下だと
閉じこもりになるリスクが高くなっていま
す。しかしこちらのケースでは、入れ歯を使
っていても、閉じこもりになるリスクはそれ
ほど減っていません。おそらくからだの病気
による閉じこもりが多いためでしょう。
閉じこもりとお口の健康の悪化も関連してい
ます。閉じこもることで歯科医院に行かなか
ったり、はみがきの回数が減ったり、人と話
さないのでお口の筋肉が衰えたりなどが影響
していると考えられます。
東根市神町 えちごやタウン歯科