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持病とお薬⑤ステロイド剤


 「ステロイド」とは、腎臓の上端にある副腎
 でつくられる副腎皮質ホルモンの一種です。
 これは体の中の炎症を抑えたり、免疫反応を
 抑える強い作用があります。
 このホルモンが持つ作用を薬として応用した
 ものがステロイド剤です。体の炎症や免疫反
 応を抑えるのに、体内でつくられるステロイ
 ドだけでは足りないときに使用されます。
 塗り薬以外にも、飲み薬や注射薬がありま
 す。歯科治療を受ける際に要注意となるの
 は、飲み薬を長期服用している患者さん
 です。
 
 ステロイド剤は関節リウマチや気管支喘息、
 悪性リンパ腫、ネフローゼ症候群など様々な
 病気の治療に用いられていますが、とくに
 自己免疫疾患をおもちのかたが、服用されて
 います。

 ステロイド剤と歯科治療はどう関係する
 のでしょう。

 炎症というと良くないものと考えられがちで
 すが、細菌に対し体が戦っている証拠でもあ
 ります。ステロイド剤を長期服用されている
 方は、炎症や免疫反応が起きにくくなるの
 で、細菌感染が起きやすくなります。
 そのため、抜歯後や手術後の傷が治りにく
 く、膿んだり腫れたりしやすいです。

 歯科治療に限らず、医療行為は体にストレス
 を与えます。副腎皮質ホルモンは、そうした
 ストレスが体に与える影響を軽減する作用が
 あります。
 しかし、ステロイド剤の長期服用は副腎皮質
 ホルモンの分泌を抑えますので、その結果、
 抜歯などの治療後に、発熱や嘔吐感、筋肉の
 痛み、血圧の低下といった体調の悪化を覚え
 ることがあります。これらの症状は副腎クリ
 ーゼ
と呼ばれます。

 ステロイド剤を長期服用している方は、外科
 治療を受けられるときには、抗菌薬を通常よ 
 り多めに飲んでいただいたり、前もって飲ん
 で頂くことがあります(予防投与)。

 ストレスによる治療後の体調悪化を防ぐため
 に、通常より多くステロイド剤を服用頂く
 ステロイドカバーが必要となることがありま
 す。ステロイドカバーが必要かは医科の先生
 が決めます。

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